毎月同じ広告レポートから脱却。同じ広告費で問い合わせ2.2倍・買取成約数1.7倍を実現した広告運用改善
以前は別会社が運用しており、毎月のレポート内容がほぼ同じでした。広告管理画面の問い合わせ件数だけで評価するのをやめ、その後に実際の買取へ進んだかどうかまで確認したところ、費用をかけるべき検索語句が変わりました。
問い合わせ数
220%
同じ広告費での比較
買取成約数
170%
同じ広告費での比較
成約しない語句への費用
62%減
配分を見直し
結論
問い合わせ件数ではなく、買取まで進んだかで広告を評価しました
広告管理画面に表示される問い合わせ件数だけを見るのをやめ、その後に査定・買取へ進んだかまで突き合わせたことで、費用をかけるべき検索語句が変わりました。
引き継ぎ前は、別会社が運用していました。毎月レポートは届くものの内容はほぼ同じで、何を改善したのかが分からない状態が続いていました。
最初に行ったのは、オフィスへ伺って実際の問い合わせ内容と買取結果を確認することです。管理画面の数字だけでは、その問い合わせが商売になったかどうかが分かりません。
突き合わせた結果、費用を多く使っている検索語句ほど成約していない、という状態が見えました。配分を組み替えた結果、同じ広告費で問い合わせ数は220%、買取成約数は170%になっています。
相談前の状況
毎月レポートは届くのに、何が良くて何を直したのかが分かりませんでした
報告はあっても内容がほぼ同じで、専門用語の説明はされるものの、事業にどう影響しているかが読み取れない状態でした。
定例では、クリック数やインプレッション、獲得単価といった数字が並びます。ただ、それが先月とどう違うのか、その差が何によるものかの説明はありませんでした。
「順調です」と説明される一方で、問い合わせが増えている実感はありません。判断する材料がないため、広告費を増やすことも減らすこともできない状態でした。
運用担当者は一度もオフィスを訪問したことがなく、どんなお客様から問い合わせが来て、どんな相談が買取につながるのかを把握しないまま配信が続いていました。ペルソナの整理も行われていません。
最初に確認したこと
管理画面を開く前に、オフィスへ伺って実際の問い合わせを見せてもらいました
広告データだけでは、どの問い合わせが商売になったかが分かりません。現場で実際の相談内容と買取結果を確認することから始めました。
伺ったのは3点です。どのようなお客様から問い合わせが来るのか。買取につながる方にはどんな特徴があるのか。問い合わせ後に商談が進まない理由は何か。
その場で、実際の問い合わせ記録と買取の結果を見せていただきました。件数だけを見ていたときには分からなかった、成約する相談と成約しない相談の違いがここで見えています。
並行して、既存の広告アカウント側も確認しました。キーワード、実際に検索された語句、広告文、配信地域、配信時間帯を1つずつ見ています。
- 現場で確認したこと
- 実際の問い合わせ記録、買取に至った案件の特徴、商談が進まなかった理由
- 管理画面で確認したこと
- キーワード、検索語句、広告文、配信地域、配信時間帯、費用の配分
- 分かったこと
- 費用を多く使っている検索語句と、買取につながっている検索語句が一致していなかった
最も重要だった判断
評価の基準を、問い合わせ件数から買取成約数に変えました
問い合わせを増やすことを目標にすると、成約しない相談も増えます。評価する地点を後ろにずらしたことが、この案件の分かれ目でした。
問い合わせ件数を目標にすると、単価の安い検索語句に費用を寄せるのが最も効率的になります。実際、引き継ぎ前はその状態でした。
ただ、事業として必要なのは買取が成立することです。問い合わせは増えても成約しなければ、対応する時間だけが増えます。
そこで、問い合わせ後に査定・買取へ進んだ割合まで確認し、それを基準に配信を判断する形へ変えました。クライアント様に協力いただき、問い合わせ1件ごとの結果を共有してもらう運用にしています。
管理画面だけを見る運用
引き継ぎ前の状態
- 評価するのは問い合わせ件数と獲得単価
- 単価の安い検索語句に費用が寄る
- 成約しない問い合わせも成果に数えられる
- 対応工数だけが増える
- 改善の打ち手が広告設定に限られる
買取結果まで見る運用
引き継ぎ後の状態
- 評価するのは買取まで進んだ件数
- 成約につながる語句に費用を寄せる
- 件数は少なくても成約する語句を残す
- 問い合わせの質が上がる
- 広告とLPの両方を打ち手にできる
施策1|費用配分
成約につながらない検索語句への費用を62%削りました
買取結果と突き合わせた結果、費用の大半が成約しない検索語句に使われていました。その分を、件数は少なくても成約する語句へ移しています。
検索語句を、買取まで進んだ実績があるものとないものに分けました。費用を多く使っていたのは、検索数が多く単価も安い一般的な語句です。ただ、そこからの問い合わせはほとんど買取に至っていませんでした。
一方で、具体的な種類や状況を含む語句は、検索数こそ少ないものの成約率が高い傾向がありました。ここに予算を移しています。
配信を止めるのではなく、配分を変えた形です。全体の広告費は変えていません。
成約実績のない検索語句への費用を、見直し前を100としたとき38まで下げました。削った分は成約率の高い語句へ配分しています。
施策2|広告文
利用者の不安に合わせて、広告文を書き分けました
検索語句の背景にある状況が違えば、クリックする理由も違います。一律の広告文をやめ、相談の背景ごとに文面を分けました。
相続や遺品整理に関する語句で検索する人は、コインの価値を知りません。その状態で「高価買取」と書かれた広告を見ても、自分が対象なのか判断できません。
そこで、価値が分からなくても査定できること、量が多くても対応できることを広告文に含めました。コレクター向けの語句には、取扱実績と査定基準を示す文面を使っています。
クリック数を増やすことを目的にしていないため、対象外の人がクリックしにくい表現も意図的に残しています。
- その時点の問題
- 相談の背景が違う利用者に、同じ広告文を配信していた
- 判断
- クリック数ではなく、買取につながる人に届くことを優先する
- 変更したこと
- 相続・遺品整理の語句と、コレクター向けの語句で広告文を分けた
- 効果
- 問い合わせの内容が具体的になり、査定へ進む割合が上がった
施策3|広告とLPの同時改善
広告とLPを別々に扱わず、クリック後の行動まで見て直しました
広告だけを直しても、遷移先で離脱していれば成果は変わりません。GA4とヒートマップでクリック後の行動を確認し、両方を同時に調整しました。
検索語句ごとに、LPのどこまで読まれているかを分けて確認しました。相続関連の語句から来た人は、料金の説明部分の手前で離脱している割合が高いことが分かりました。
広告文で「価値が分からなくても査定できる」と伝えているのに、LPでは先に料金の話が出てきます。ここで期待とのずれが起きていました。
そこで査定の流れの説明を前に出す調整を行いました。広告側の担当とLP側の担当が分かれていると、この種のずれは見つかりません。
施策4|レポート
詳細レポートと、判断のための要点資料を分けました
1つの資料に全部を載せると、確認する側は何を判断すればよいか分かりません。記録用と判断用に資料を分けました。
定例で使う資料を2種類に分けています。数字を後から追えるようにする詳細レポートと、その場で議論するための要点資料です。
定例の進め方も変えました。資料を読み上げる報告ではなく、次に何を試すかをその場で決める場にしています。
詳細レポート
記録として残す
- 広告費、クリック数、獲得単価
- キーワード別・検索語句別の成果
- 配信地域・時間帯別の状況
- 後から数字を追えるようにする目的
- その場で全部を読む必要はない
要点資料
その場で判断する
- 今月良かったことと、その理由
- 課題が出ている箇所
- 次に何を変えるか(選択肢つき)
- 判断が必要な項目
- 社内共有にそのまま使える分量
施策5|予算の拡大
成果を確認してから、段階的に広告予算を広げました
配分の見直しで同じ予算から得られる成果が上がったことを確認したうえで、予算そのものを増やす判断をしています。
先に予算を増やすと、配分が悪いまま費用だけが膨らみます。順番として、まず同じ予算での成果を上げ、それが安定してから拡大しました。
1〜2か月目
現状把握と配分の見直し
オフィス訪問、問い合わせと買取結果の突き合わせ、検索語句ごとの配分変更を行いました。予算は据え置きです。
3〜4か月目
広告文とLPの調整
相談の背景ごとに広告文を分け、LP側の説明順序を調整しました。ここで問い合わせの内容が変わり始めています。
5か月目
成果の確認
同じ広告費で問い合わせ数と買取成約数の両方が伸びていることを確認しました。
6か月目以降
予算の段階的拡大
成果が安定していることを確認したうえで、予算を段階的に増やしています。現在も運用を継続中です。
結果
同じ広告費で問い合わせが2.2倍、買取成約数が1.7倍になりました
成約しない検索語句への費用を削り、その分を成約する語句へ移した結果です。広告費の総額は増やしていません。
問い合わせ数の増加は、費用配分の見直しと広告文の書き分けによるものです。買取成約数の増加は、それに加えてLPの説明順序を調整したことが効いています。
問い合わせ数の伸び(220%)に対して買取成約数の伸び(170%)が小さいのは、問い合わせ全体の中に査定のみで終わる相談も含まれるためです。件数と成約の両方を追い続けています。
問い合わせ数
引き継ぎ前を100とした指数
買取成約数
引き継ぎ前を100とした指数
成約しない語句への費用
低いほど良い。62%の削減
お客様の声
「まずオフィスに来てくれたのが、前の会社と一番違ったところです」
前は毎月レポートをもらっていましたが、正直、何が良くて何を直しているのか分かりませんでした。用語の説明はしてもらえるんですが、それがうちの商売にどう関係するのかが見えなかったんです。
Tekonoさんは、最初にオフィスまで来られて、実際の問い合わせを見せてくださいと言われました。前の担当者は一度も来たことがなかったので、そこがまず違いました。
問い合わせが何件来たか、ではなく、そのうち何件が買取になったかを見ましょう、という話になって。言われてみれば当たり前なんですが、それまでは件数だけを見ていました。
定例も変わりました。細かい数字の資料と、今月どうするかをまとめた資料を分けてもらえるので、こちらも判断しやすいです。社内に共有するときもそのまま使えます。
問い合わせの中身も具体的になりました。以前は「売れますか」だけの連絡が多かったのですが、今は何をいくつ持っているかまで書いてあります。成果が出たのを確認してから予算を増やせたので、進め方としても納得しています。
ワールドコインズ・ジャパン ご担当者様
この事例から
この事例から、自社に置き換えられること
-
評価する地点を後ろにずらすと、費用の使い道が変わる
問い合わせ件数を目標にすると、成約しない相談も成果に数えられます。成約まで確認する運用に変えるだけで、配信すべき語句が入れ替わります。
-
広告データだけでは、商売になった問い合わせが分からない
管理画面に成約情報は入っていません。現場の記録と突き合わせる仕組みをつくらないと、判断材料が揃いません。
-
レポートは、記録用と判断用に分ける
1つの資料に全部を載せると、何を決めればよいか分からなくなります。分けるだけで定例が報告の場から議論の場に変わります。
FAQ
よくある質問
現在ほかの会社に依頼している広告アカウントを引き継げますか?
はい。既存アカウントのキーワード、検索語句、広告文、配信地域や時間帯を1つずつ確認するところから始めます。今回も他社が運用していたアカウントを引き継いでいます。
検索数の少ないニッチな商材でも広告運用できますか?
はい。件数が少ない領域ほど、クリック数より成約につながる検索語句を見極めることが重要になります。今回も実際の買取結果と広告データを突き合わせて配信対象を絞り込みました。
問い合わせの件数だけでなく、内容の質も確認してもらえますか?
はい。今回は問い合わせ後に買取へ進んだかまで確認し、その結果を配信の判断に使いました。そのためにクライアント様に問い合わせ1件ごとの結果を共有していただく運用にしています。
広告だけでなく、遷移先のLPも見てもらえますか?
はい。広告とLPを分けて考えると改善が止まるため、GA4やヒートマップでクリック後の行動まで確認して両方を見直します。今回も検索語句ごとにLP内の離脱位置を分けて確認しました。
報告の内容が理解できるか不安です。どのように共有されますか?
定例では、数字をまとめた詳細レポートと、今月の状況と次の施策を絞った要点資料の2種類をお渡しします。用語をそのまま伝えるのではなく、事業への影響まで含めて説明します。
毎月の報告内容がいつも同じ、という状態になっていませんか
現在の広告アカウントと問い合わせの内容を確認し、費用がどこに偏っているかを整理してお伝えします。引き継ぎのご相談も承ります。